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いろいろな果実がみられました 2 花だより 2025年 11月30日
11月30日 植物園で見られる植物です。

ハナヒョウタンボク(スイカズラ科)
本州(青森・岩手・群馬・長野県)の一部の山地に稀な落葉小高木です。ひきつづき、複数の株で紅色の果実のついている様子が見られました。
本植物は、氷河時代の終わりに近い頃、アジア大陸から朝鮮半島や樺太を通って本州や北海道に広く分布していたものと考えられています。それが氷河期が終わる頃から日本列島の気候は一時的に現在よりも暖かくなった時期があり、この頃に生育に適さない温暖になった地域では死滅し、比較的寒冷な地域にだけ生き残ったのでは、と推測されています。写真のハナヒョウタンボクは、ウスリー産とされる株で、当植物園では大切に栽培しています。花の写真は2025年5月に撮影したものです。

ムラサキシキブ(シソ科←クマツヅラ科)
北海道(南部)、本州、四国、九州の低い山地や平地に生える落葉低木です。複数の株で紫色の果実のついている様子が見られました。赤色や黒色、濃い紫色の果実は、ヒヨドリなどの鳥に食べられやすい色といわれています。園内のムラサキシキブの果実も鳥により種子散布されているようです。
花の写真は2025年7月に撮影したものです。

ヤブラン(クサスギカズラ科←ユリ科)
本州、四国、九州の林に生える多年草です。複数の株で光沢のある黒紫色の種子がついている様子が見られました。花の写真は2016年9月に撮影したものです。
シロヤマブキ(バラ科)
本州の中国地方に稀に自生し、しばしば庭園などに植栽される落葉小低木です。複数の株で光沢のある黒色の果実のついている様子が見られました。果実はひとつの花に4個づつついていて、よく見るとがく片がそのまま残っている様子も見られます。
花の写真は2013年5月に撮影したものです。

カシワバハグマ(キク科)
本州(宮城県以南の主に太平洋側)、四国、九州の山地のやや乾いた林などに生える多年草です。複数の株で茶褐色の果実のついている様子が見られました。果実にはがくが毛状に変形した冠毛があり、風の力を利用し種子散布を図っているそうです。
花の写真は2024年9月に撮影したものです。

シモバシラ(シソ科)
本州(関東地方以西)、四国、九州の山地の木陰に生える日本に固有な多年草です。枯れた茎の根元に霜柱のような様々な形をした氷が見られました。この現象は、冬の初めのよく冷えた日の朝に見られることがあります。今朝の軽井沢は最低気温が氷点下3.9度を記録したそうです。
(実の見られる植物)
アオツヅラフジ、アオハダ、アズキナシ、イヌツゲ、ウバユリ、ウメモドキ、ウラジロノキ、ウリハダカエデ、オオバキハダ、オオバジャノヒゲ、カザグルマ、カジカエデ、カラコギカエデ、キササゲ、クロウメモドキ、クロミサンザシ、コクサギ、サンショウ、シオデ、センニンソウ、ソヨゴ、チドリノキ、ツルウメモドキ、ナツツバキ、ナンテン、ノイバラ、ハンテンボク、ホオノキ、ミツデカエデ、ミヤマウメモドキ、ムクゲ、メギ、モクゲンジ、ヤドリギ、ヤブサンザシ、ヤブムラサキなど。
*この情報は1~2週間程度で更新しますが、天候、気温の急な変化により花の時期を過ぎてしまう場合があります。ご了承ください。
*科名は現在の植物分類学の水準をよく反映しているといわれる分類体系に従った科名を採用しました。これまで一般的な図鑑などで採用された科名と異なる場合には、これまで採用された科名も記してあります。



