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シモバシラに霜柱現象がみられました。 花だより 2025年 11月16日
11月16日 植物園で見られる植物です。


シモバシラ(シソ科)
本州(関東地方以西)、四国、九州の山地の木陰に生える日本に固有な多年草です。枯れた茎の根元に霜柱のような様々な形をした氷が見られました。この現象は、冬の初めのよく冷えた日の朝に見られることがあります。なお、今朝の軽井沢は最低気温が氷点下1.4度を記録したそうです。

ハナヒョウタンボク(スイカズラ科)
本州(青森・岩手・群馬・長野県)の一部の山地に稀な落葉小高木です。ひきつづき、複数の株で紅色の果実のついている様子が見られました。
本植物は、氷河時代の終わりに近い頃、アジア大陸から朝鮮半島や樺太を通って本州や北海道に広く分布していたものと考えられています。それが氷河期が終わる頃から日本列島の気候は一時的に現在よりも暖かくなった時期があり、この頃に生育に適さない温暖になった地域では死滅し、比較的寒冷な地域にだけ生き残ったのでは、と推測されています。写真のハナヒョウタンボクは、ウスリー産とされる株で、当植物園では大切に栽培しています。

キミノウメモドキ(モチノキ科)
本州、四国、九州の山中の湿地に生えるウメモドキの一品種です。枝先に黄色の果実のついている様子が見られました。

シロヤマブキ(バラ科)
本州(中国地方)に稀な落葉小低木で、観賞用に栽培されることがあります。複数の株で黒色に成熟した果実のついている様子が見られました。

ヤブラン(クサスギカズラ科←ユリ科)
本州、四国、九州、琉球の林に生える多年草です。複数の株で光沢のある黒紫色に成熟した種子のついている様子が見られました。

モミジガサ(キク科)
北海道、本州、四国、九州の林に生える多年草です。複数の株で白色の冠毛をつけた果実のついている様子が見られました。

チドリノキ(ムクロジ科←カエデ科)
本州(岩手県以南)、四国、九州の山地の谷間に生える日本に固有な落葉小高木または高木です。複数の株で茶褐色の翼のような形をした果実のついている様子が見られました。
(花の見られる植物)
コンギク、ジュウガツザクラ、マルバノキなど。
(実の見られる植物)
アオツヅラフジ、アオハダ、アケビ、アズキナシ、イヌツゲ、ウバユリ、ウメモドキ、オオバキハダ、オオバジャノヒゲ、カザグルマ、カジカエデ、カラコギカエデ、クマシデ、クロウメモドキ、クロミサンザシ、コクサギ、サワシバ、センニンソウ、センボンヤリ、ソヨゴ、ツルウメモドキ、ナツロウバイ、ナルコユリ、ナンテン、ミツデカエデ、ミヤマウメモドキ、ムクゲ、ムラサキシキブ、メギ、モクゲンジ、ヤドリギ、ヤブサンザシ、ヤブムラサキなど。
*この情報は1~2週間程度で更新しますが、天候、気温の急な変化により花の時期を過ぎてしまう場合があります。ご了承ください。
*科名は現在の植物分類学の水準をよく反映しているといわれる分類体系に従った科名を採用しました。これまで一般的な図鑑などで採用された科名と異なる場合には、これまで採用された科名も記してあります。



