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氷河時代の生き残り? ハナヒョウタンボクの果実が見頃です 花だより 2025年 10月12日
10月12日 植物園で見られる植物です。
ハナヒョウタンボク(スイカズラ科)
本州(青森・岩手・群馬・長野県)の一部の山地に稀な落葉小高木です。複数の株で紅色の果実のついている様子が見られました。
本植物は、氷河時代の終わりに近い頃、アジア大陸から朝鮮半島や樺太を通って本州や北海道に広く分布していたものと考えられています。それが氷河期が終わる頃から日本列島の気候は一時的に現在よりも暖かくなった時期があり、この頃に生育に適さない温暖になった地域では死滅し、比較的寒冷な地域にだけ生き残ったのでは、と推測されています。
軽井沢町の準町花。
ヤブサンザシ(スグリ科←ユキノシタ科)
本州、四国、九州の山地などに生える雌雄異株の落葉低木です。複数の株で赤色の果実のついている様子が見られました。
ナツハゼ(ツツジ科)
北海道、本州、四国、九州の山地の林などに生える落葉低木です。複数の株で黒色の果実のついている様子が見られました。クロマメノキ(=アサマブドウ)と同じ仲間。
オヤマボクチ(キク科)
北海道(西南部)、本州(青森県~岐阜県)、四国、九州の山地の乾いた草原や林の縁に生える多年草です。複数の株で紫褐色の花の咲いている様子が見られました。
若い葉はヨモギの代用として、餅につき入れて草餅にすることもあるそうです。
ミツバアケビ(アケビ科)
北海道、本州、四国、九州の山野に生えるつる性の植物です。複数の株で紫色を帯びた果実のついている様子が見られました。裂開した果実の中には白色の果肉が見られました。
リンドウ(リンドウ科)
本州、四国、九州、奄美諸島の山野に生える日本に固有な多年草です。ひきつづき複数の株で紫色の花の咲いている様子が見られました。長野県の県花。
カラタチ(ミカン科)
中国原産、広く栽培される落葉低木です。枝先に複数の黄色の果実のついている様子が見られました。柑橘類の台木や生垣などに利用されることがあります。
(花の見られる植物)
ウメバチソウ、コシオガマ、ゴマナ、サクラタデ、サラシナショウマ、シオン、シュウメイギク、シロバナサクラタデ、シロヨメナ、ススキ、セキヤノアキチョウジ、ノコンギク、ノハラアザミ、フジバカマ、ホソバオケラ、マルバノキ、マルバフジバカマ、ミカエリソウ、ミズヒキ、ミセバヤ、ミナヅキ(装飾花 紅色)、ミョウガ、ムラサキセンブリ、ヤクシソウ、ヤマシロギク、ヤマトリカブトなど。
(実の見られる植物)
アオツヅラフジ、アオハダ、アケビ、アブラチャン、イヌツゲ、ウバユリ、ウメモドキ、オオマムシグサ、オトコヨウゾメ、カジカエデ、カラコギカエデ、カンボク、キジカクシ、クマシデ、クロウメモドキ、クロミサンザシ、コクサギ、コブシ、サワシバ、サンザシ、シオデ、シロヤマブキ、ソヨゴ、チドリノキ、チョウセンゴミシ、トチバニンジン、ヒオウギ、ホオズキ、ミヤマウメモドキ、ムラサキシキブ、ヤブムラサキ、ユキザサ、ワダコブシ(仮)など。
(紅葉・黄葉の見られる植物)
ツタウルシ、トチノキ、ナツハゼ、ニシキギ、ハナノキ、ヤマウルシ、ヤマザクラなど。
*この情報は1~2週間程度で更新しますが、天候、気温の急な変化により花の時期を過ぎてしまう場合があります。ご了承ください。
*科名は現在の植物分類学の水準をよく反映しているといわれる分類体系に従った科名を採用しました。これまで一般的な図鑑などで採用された科名と異なる場合には、これまで採用された科名も記してあります。