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堀辰雄文学記念館だより  令和4(2022)年度

2022年9月26日 更新

O(オー)村だより 令和4年9月号

 9月も半ばを過ぎ、段々と肌寒くなってまいりました。みなさま暖かくしてお過ごしくださいね。さて、7月から始まりました特別企画展も、残すところあと3ヶ月です。今月は展示資料をいくつかご紹介していきます。

(左)企画展示室入口、(右)企画展示室内

主な展示資料紹介

署名本
・萩原朔太郎『定本青猫』(昭和11年 版画荘)
・萩原朔太郎『氷島』(昭和9年 第一書房)

 いずれも堀辰雄が朔太郎から贈られた署名本になります。
『定本青猫』を朔太郎からもらった経緯は、堀辰雄「「青猫」について」で窺い知ることができます。『定本青猫』の出版社である版画荘のある通りで、朔太郎とばったり出くわした堀辰雄は、「君にも上げたいと思つてゐたのだ」と朔太郎から『定本青猫』を受け取ったといいます。
『氷島』は、堀辰雄に送られた朔太郎の書簡(昭和9年6月13日付)に、「今日、別便で御届けします」と書かれているのが確認できます。堀辰雄は前日の6月12日に、出版されたばかりの『美しい村』(昭和9年 野田書房)を届けにきたそうですが、朔太郎は新宿に出かけており、2人は会うことができませんでした。

堀辰雄宛 萩原朔太郎書簡3通(複製)
・昭和9年6月13日付(世田谷区代田より 向島宛)
・昭和9年6月25日付(世田谷局より 向島宛)
・昭和13年5月16日付(世田谷区代田より 向島宛)

 昭和9年6月13日付の書簡は、堀辰雄から『美しい村』をもらった御礼や、堀辰雄や中野重治が作っていた同人雑誌「驢馬」の仲間と会を開きたいという思いが綴られた書簡です。
 昭和9年6月25日付の書簡は、『美しい村』の感想がメモ書きで書かれているものになります。朔太郎の娘、萩原葉子は「メモ書きで感じることを書いたのは、この手紙くらい」と語っています。
 昭和13年5月16日付の書簡は、堀からの献本の御礼で、贈られた本は恐らく『風立ちぬ』(昭和13年 野田書房)のことでしょう。『風立ちぬ』の感想が書かれた書簡は残っていませんが、どんなことが書かれたのか、想像してみてくださいね。

萩原朔太郎全集
・『萩原朔太郎全集』(昭和18年~19年 小学館)
・『萩原朔太郎全集』(昭和26年 創元社)

 小学館版『萩原朔太郎』全集に関しては、堀辰雄は編集委員として従事していました。全集の展示に合わせて、各全集の内容見本(パンフレット形式の広告)も展示しています。いずれの内容見本にも堀辰雄は文章を寄せており、小学館版『朔太郎全集』の内容見本には「萩原さんのお仕事は、若かりし頃の私のすべてであった。そしていまもなほ私の「青春」そのものである」とまで述べており、朔太郎への思いを感じることができます。

 

 

 

O(オー)村だより 令和4年8月号

特別企画展「萩原朔太郎没後80年 萩原朔太郎と堀辰雄」の展示目録を公開しました。

 先月より始まりました特別企画展ですが、展示目録を公開しました(特別企画展のページはこちら)。また、企画展示室に、展示されている作品を実際に手に取ってお読みいただけるコーナーを作成しました。堀辰雄宛の萩原朔太郎書簡、堀辰雄「「青猫」について」、「二三の追憶」(萩原朔太郎部分のみ抜粋)、萩原朔太郎「四季同人印象記」(堀辰雄部分のみ抜粋)がお読みいただけます。

 

緑陰講座を開催しました。

 堀辰雄文学記念館では、毎年恒例の緑陰講座を2日間開催しております。今年は8月6日(土)、8月7日(日)に行いました。

第1回「軽井沢と近現代作家——有島武郎・堀辰雄・中村真一郎 ほか」

 1日目は池内輝雄先生(日本近代文学館副理事長)に講演していただきました。池内先生の軽井沢での生活についてや、堀辰雄文学との出会いについてお話いただきました。そして、有島武郎、芥川龍之介、堀辰雄、室生犀星、中村真一郎と軽井沢との関わりを、池内先生が過ごされてきた軽井沢での生活を踏まえつつお話いただきました。また、最後の質疑応答の時間では、今後の文学の在り方等、活発に意見が交わされました。

 

 

第2回「詩の中の色」

 2日目は、萩原朔太郎の孫であり、前橋文学館の館長の萩原朔美先生をお招きしました。詩は分からないと公言していた萩原先生と文学、詩との出会いから、詩とのふれあいなどをお話いただきました。

 また、朔太郎大全を開催した理由については、朔太郎の詩に多用される「白」という色を例に、詩の中に使われる色は、その色の意味として使われているだけではないのだという萩原先生の気付きから、言葉というものを詩人たちがどう捉えていたか再発見してもらいたいという願いを抱いたからと教えていただきました。

 

 

「夏休み子どもの文学講座」~心に文学の種をまこう~

午前の部:『声で味わう 耳で味わう』

午後の部:『詩を読む 詩を書く』

 

 8月18日(木)に行いました本講座は、当館初めての試みとなります。講師は軽井沢風越学園教諭であり、青山学院大学非常勤講師の甲斐利恵子先生をお招きしました。

 午前の部では初めに堀辰雄『風立ちぬ』の朗読をし、次に夏目漱石『吾輩は猫である』の朗読を行いました。『吾輩は猫である』の文章から少しずつ文字を消していき、クイズのように暗唱をしていきました。 

 午後の部では詩にふれました。詩の構成についての説明や、宮沢賢治などいくつかの詩を紹介したのち、実際に詩を音読していきました。そして、まど・みちお「よかったなあ」の詩に習い、詩を作り発表しあいました。

 参加されたお子さんは1年生から6年生までいらっしゃいましたが、1年生のお子さんも張り切って参加されていました。最初は声が小さかったお子さんも、講座が進むにつれ、元気に声を出している姿が印象的な講座となりました。

 

 

 

O(オー)村だより 令和4年7月号

7月14日より、特別企画展「萩原朔太郎没後80年 萩原朔太郎と堀辰雄」が始まります!

  いよいよ特別企画展の開催が間近に迫ってまいりました。10月31日までは無休で開館しておりますので、いつでもいらしてくださいね。特別企画展の詳細はこちらのページをご覧ください。

 

 萩原朔太郎といえば、堀辰雄を文学の世界へいざなったと言っても過言ではない存在ですが、そのきっかけを作ったのは、堀の親友である神西清でした。これについて、神西は以下のように語っています。

 

 未来の数学者を夢みて一高の理科(ドイツ語)に入学すると早々、十七歳の少年堀は或る悪友の手引きで、はじめて萩原朔太郎の詩の味をおぼえた、まもなく出たこの詩人の第二詩集『青猫』は、たちまち彼の座右の書になった。(※1)

 

 自身のことを悪友と称している点が、神西の茶目っ気のある一面を垣間見ることができ印象的です。神西は、堀が亡くなった3ヶ月後、もう少し詳細にこれについて述べています。

 

 この文中にある悪友というのは、じつは僕のことなのだが、三十三年といえば決して短くない交友期間を通じて、僕が彼にしてやれた唯一の善事は、おそらく彼を朔太郎の詩に近づけたことぐらいなものだったろう。

 ことの起りは、僕が中学時代から朔太郎の『月に吠える』に惚れこんでいて、(中略)数学志望のこの美少年の前で吹聴したのに始まる。堀辰雄は最初すこし抵抗しているらしい様子だったが、やがて朔太郎の第二詩集『青猫』が出るに及んで、たちまちこの放浪詩人の俘になった。(※2)

 

 神西は『青猫』の「閑雅な食慾」を例に挙げ、朔太郎は艶のある音楽から「一種典雅な抒情主義へ、ひらりと転身しているように」思えたようで、その『青猫』に夢中の堀に対し「何か我慢のならぬスノビズムを感じとって、それから暫くは彼の前で小っぴどく朔太郎をやっつけるように」なったほどでした。しまいには堀から「もう僕の前で朔太郎の話はしないでくれないか!」と言われてしまい、これが堀とした最初の喧嘩だったと彼は回想しています。

 そして堀は後に、朔太郎の詩集とだけではなく、朔太郎本人とも交流していくことになります。

 

※1 神西清「堀辰雄文学入門」(『堀辰雄集』解説(昭和25年 新潮社)、「文芸・臨時増刊」(昭和32年2月)にて補削)本文引用は『堀辰雄全集 別巻2』(昭和55年 筑摩書房)に拠った。

※2 神西清「静かな強さ」(「文学界」昭和28年8月号)本文引用は『堀辰雄全集 別巻2』(昭和55年 筑摩書房)に拠った。

 

 講座のご案内

【終了】緑陰講座

〇第1回「軽井沢と近現代作家——有島武郎・堀辰雄・中村真一郎 ほか」

日時:8月6日(土)10:30~11:30
講師:池内 輝雄 氏(日本近代文学館副理事長)

〇第2回「詩の中の色」

日時:8月7日(日)10:30~12:00
講師:萩原 朔美 氏 (前橋文学館館長・萩原朔太郎 孫)


定員:各25名
場所:堀辰雄文学記念館
申込:7月11日(月)9:00より

 

【終了】「夏休み子どもの文学講座」
   ~心に文学の種をまこう~

日時:8月18日(木) 

午前の部(10:00~11:30):『声で味わう 耳で味わう』
午後の部(13:00~14:30):『詩を読む 詩を書く』

定員:各25名

対象:小・中学生
講師:甲斐 利恵子 氏(軽井沢風越学園教諭/青山学院大学非常勤講師)
場所:軽井沢町中央公民館 

申込:7月19日(火)9:00より

 

堀辰雄を語る会
萩原朔太郎と堀辰雄——手品・戦争・『青猫』をめぐって

日時:10月2日(日)13:30~15:00 

定員:25名
講師:栗原 飛宇馬 氏(デジタルハリウッド大学非常勤講師/萩原朔太郎研究会幹事)
場所:堀辰雄文学記念館 

申込:9月5日(月)9:00より

秋の朗読会(軽井沢図書館朗読ボランティア「オオルリ」)

朗読作品:堀辰雄、萩原朔太郎の作品より
日時:11月12日(土)13:30~15:00

定員:25名  
場所:堀辰雄文学記念館 

申込:10月11日(火)9:00より

 

※各イベントは無料(会場が堀辰雄文学記念館の場合は入館料のみ)、予約制です。電話か窓口でお申し込みください。定員になり次第締め切ります。
※新型コロナウイルス感染症の状況によっては、企画展や講座等の日程が変更または中止となる場合がございますのであらかじめご了承ください。

 

O(オー)村だより 令和4年6月号

野いばら講座を開催しました

 5月28日(土)、堀辰雄の命日に、野いばら講座を開催しました(講座の詳細は先月号のO村だよりをご参照ください)。当日は、前日の雨が嘘のような晴れ晴れとした爽やかな一日でした。

 今年の野いばら講座「音楽で出会う堀辰雄 蓄音機・SPレコードで聴く」では、庄司達也先生(横浜市立大学教授)から、堀の作品、書簡等に出てくる音楽についてお話いただきました。

 また、堀辰雄が当時使っていた蓄音機(軽井沢高原文庫所蔵)、庄司先生がお持ちの蓄音機を用いて、堀辰雄旧蔵SPレコード(当館所蔵)の他、堀辰雄が聴いていたと特定できた音源のレコードを庄司先生にお持ちいただき、再生していただきました。

演奏楽曲(順不同)
ヴィットリア「アヴェ・マリア」/パレストリーナ「贖主の聖歌よ」(日ビクターJA688)

ラ・クロア・ド・ボア教会小聖歌隊合唱団(パリ木の十字架少年合唱団)

ドビュッシー「もう家もない子等のクリスマス」(日コロンビア2339)

クロード・パスカル(ボーイソプラノ)

 

 「アヴェ・マリア」、「贖主の聖歌よ」は、立原道造が昭和13年、結婚祝いとして堀夫妻へ贈った曲。「もう家のないクリスマス」は、その際「不意に家のなくなつてしまつた日のかたみ」(昭和12年、堀や立原が逗留していた油屋旅館の火事のこと)として贈った曲。

参考)立原道造書簡(昭和13年4月下旬(推定)堀辰雄宛)、堀辰雄「木の十字架」(「知性」昭和15年7月/『雉子日記』(昭和15年 河出書房)) 、堀多恵子「辰雄の作品と音楽と」(CD『堀辰雄の芸術 堀辰雄愛蔵SPレコードより』(平成3年8月 ビクター音楽産業))

 

ショパン「前奏曲」(日ビクター6715~6718、当館所蔵)より

アルフレッド・コルトー(ピアノ)

シューベルト「冬の旅」(日ビクターJD-357~362/JF50~52、当館所蔵)より

ゲルハルト・ヒュッシュ(バリトン)

 

「前奏曲」は堀が「木の十字架」において好んでいると述べた曲。堀多恵子は「前奏曲」、「冬の旅」は『菜穂子』(昭和16年 創元社)執筆時の助けであったであろうと述べている。

参考)堀辰雄「木の十字架」、堀多恵子「辰雄の作品と音楽と」、堀辰雄書簡(8月24日、9月10日(月日推定)田中喜代子宛)

 

バッハ「ブランデンブルグ協奏曲」(日コロンビアB1~14、当館所蔵)より

ブッシュ室内合奏団

 

堀がこのレコードを手に入れたときは、中村真一郎に嬉しそうに聴かせたという。

参考)中村真一郎「堀辰雄と文学」」(CD『堀辰雄の芸術 堀辰雄愛蔵SPレコードより』(平成3年8月 ビクター音楽産業))

 

ブラームス「アルト・ラプソディ」(日ビクター7417~7418)

ジークフリート・オネーギン(コントラルト) クルト・ジンガー(指揮)

ベルリン国立歌劇場弦楽団ベルリンドクトル合唱団

 

堀は「ゲエテの「冬のハルツに旅す」」で、歌手の陰影に富んだ底光りするような歌声に魅了されたと語っている。

参考) 堀辰雄「狐の手套 九 ゲエテの「冬のハルツに旅す」」(「一橋新聞」昭和15年1月1日)

 

講座資料

R4_野いばら講座プログラム(PDF/376KB)

R4_野いばら講座配布資料(PDF/612KB)

講座風景

中央の蓄音機が堀辰雄愛用の蓄音機(日本製 製造元不明 山野楽器製「オルソトン2号」に酷似)。両側の蓄音機は庄司先生のもの。

 

 

 

特別企画展のお知らせ 「萩原朔太郎没後80年 萩原朔太郎と堀辰雄」

先月でもお知らせしましたが今年度の特別展「萩原朔太郎没後80年 萩原朔太郎と堀辰雄」のチラシとポスターが完成しました! 詳細はこちらをご覧ください。

 

 

O(オー)村だより 令和4年5月号

 

 5月に入り、緑萌え出ずる美しい季節となってまいりました。朝は特に鳥のさえずりが賑やかで、芽吹き始めた瑞々しい若葉の中に、鳥の影を探しつつ開館準備をしております。写真は館の受付前に咲いている満開のツツジです。

 

 今月は堀辰雄の命日を迎えます。毎年、当館では堀辰雄の命日(5月28日)にあわせて「野いばら講座」を開催しております。今年は命日当日に開催が決まりました。今年の「野いばら講座」では、庄司達也先生(横浜市立大学教授)をお招きして、堀旧蔵のSPレコードを、堀愛用の蓄音機(軽井沢高原文庫所蔵)を用いて再生していただきます。

 軽井沢高原文庫様から蓄音機をお借りしての開催となっております。この場をお借りして厚くお礼を申し上げます。
 この蓄音機は、軽井沢高原文庫様開館当時(1985年)に、堀多恵が同館へ寄贈しました。昨年7月、同館が横浜市立大学と共同で修復し、現在では同館にて、希望者は堀が所蔵していたものと同じSPレコード(バッハ「ブランデンブルグ協奏曲」)の音色を聞くことができます(お問い合わせは軽井沢高原文庫様にお願いいたします)。 

 本講演は長らく延期となっておりましたが、この度ようやく皆さまに、堀が耳にしていた音色をお聞かせできることになり、当館一同も楽しみにしております。

 

 さて、本年は萩原朔太郎没後80年に当たります。それに伴い、今年は前橋文学館が中心となり「萩原朔太郎大全2022」が開催されます。これは、全国の萩原朔太郎ゆかりの文学館、美術館などが、朔太郎に関する展覧会を同時期に開催する企画となっております。
 当館も本企画に参加しており、7月14日より12月27日まで、特別企画展「萩原朔太郎と堀辰雄」を開催します。本展に関しましては、現在準備中につき、詳細は今しばらくお待ちください。

 

 

O(オー)村だより 令和4年4月号

 新年度が始まり、軽井沢も段々と春めいてまいりました。堀辰雄旧宅脇の梅も開花し、窓枠に花びらが落ちておりました。

 4月は始まりの時期ではありますが、この月は、堀辰雄が友人の中野重治、窪川鶴次郎らと共に、同人雑誌「驢馬」を創刊した月でもあります。この雑誌は大正15年に始まり、昭和3年5月の第12号まで続きました。堀は詩の翻訳などを載せておりました。

 創刊号に堀は、彼が訳した翻訳詩8篇を「杖のさき」と題し掲載しました。
 今回は、その中のひとつ、アポリネエルの翻訳詩の一篇をご紹介します。

 

 「風景」

 

ここに星や神さまがお生まれなさった家があります

 

実をむすぶばかりになった、この木は、お前によく似ている

 

火のついた葉巻が一本けぶっている

 

恋人どもはいっしょに寝る
それなのにお前たちは離ればなれだね
僕の手足よ


 アポリネエル『カリグラム』からの翻訳になりますが、原文は言葉で絵を描いたようなものになっており、翻訳の難しさが察せられます。

 

 ところで、堀はアポリネエルの「風景」とはまた別に、自身でも「風景」という作品を同時期に執筆していました。

 

 しばらくその汽船に子供のように見とれていると、僕の眼にはひとりで空の一部分がはいってきたのである。それは硝子の破片(かけら)のように光って見えた。小さな真白な雲が、たくさん、汽船のマストを中心にして塊まり合っている。その中でゆるやかに動きつつあるものは、いずれも魚に似た形をしている。中にはクラゲのようなものもある。またじっと動かずにいるものは、僕に、きれいな貝殻を思い出させた。それはまるで海の中がそっくりそのまま空に反射しているようなのである。いままで僕は遠くの方に対岸のようなものを認め、そしてそこに数個の骰子(さいころ)のような洋館が塊っているように思っていたが、それは見る見るうちに船のマストの方へ昇っていった。それもまた雲だった。……

 

 このように、雲の描き方が大変幻想的な作品になっています。よろしければぜひ全文をお読みになってみてくださいね。

 

※アポリネエル「風景」(堀辰雄訳)
 本文引用は『堀辰雄全集第五巻』(昭和53年 筑摩書房)に拠った。画像は同書(p.542)掲載のもの。
※堀辰雄「風景」(大正15年3月)
 本文引用は『堀辰雄全集第一巻』(昭和52年 筑摩書房)に拠った。

 

 なお、表記は新字体、新仮名づかいに改めた。()内のふりがなは原文ではルビが振られている。

【会期終了】春の企画展

                                               

                                                   春期企画展

                            堀多恵のまなざし

                            —堀辰雄と文学者たち 師事・交友をめぐる—

 

                               昭和12年 堀辰雄と多恵 追分測候所裏にて

 

  

    堀辰雄は、学生時代に生涯の親友・神西清と出会い、詩集『青猫』(萩原朔太郎著)を耽読  

  し、文学の世界へと導かれていきました。

  大正12(1923)年、堀辰雄は、室生犀星に誘われて初めて軽井沢に訪れます。この地に

    魅了された堀辰雄は、以後毎夏のように軽井沢を訪れ、文学者たちと交流を深めました。

 

    父親のような愛情で堀辰雄を見守り続けた室生犀星、堀辰雄が師と仰ぎ影響を受けた芥

    川龍之介、病弱な堀に励ましの手紙を数多く送った友人たち……堀辰雄は生涯を通して    

    様々な文学者に支えられました。

 

    本展では、堀辰雄が師事し影響を受けた作家を中心に、堀辰雄の妻・多恵の回想ととも 

    に、書簡や資料をひもとくことで、堀辰雄と文学者たちの温かな交流をめぐります。

 

 

   会期:2022年3月17日(木)~7月12日(火) 

   会場:堀辰雄文学記念館

   開館時間:9時~17時(最終入館16時30分)

   入館料:大人400円、小中高生200円

   休館日:水曜日(祝日は開館)

   ※入館券は追分宿郷土館と共通です。

   ※新型コロナウイルス感染症の状況によっては、会期変更となる場合があります。

 

 

       ■チラシexhibition(PDF/352KB)

    なお、チラシ掲載写真を無断で複製・転用することはできません。

 

 

 

     【問い合わせ】堀辰雄文学記念館 TEL 0267-45-2050

 

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このページに関するお問い合わせ

教育委員会 生涯学習課 堀辰雄文学記念館
電話番号:0267-45-2050
電子メール:horikinen(アット)town.karuizawa.nagano.jp
備考:メール送信時はE-mailアドレスの(アット)を半角@に変換してから送信下さい。