2023年3月30日 更新
・子宮頸がん(HPV)ワクチンは、国内でワクチン接種との因果関係を否定できない副反応事例が発生したため、平成25年6月から令和4年3月まで、接種の積極的勧奨を差し控えていました。しかし、最新の知見を踏まえ、ワクチンの安全性に特段の懸念が認められず、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、令和4年4月より積極的勧奨が再開されています。
・HPVワクチンは従来、定期接種は2価ワクチン(サーバリックス)と4価ワクチン(ガーダシル)のみで、9価ワクチン(シルガード9)は任意接種(自費)でした。しかし、令和4年度に行われた国の審議会の結果、令和5年4月1日より、9価ワクチンが定期接種に含まれることになりました。
・9価ワクチンは、子宮頸がんの発生に関連するヒトパピローマウイルスのうち、2価・4価ワクチンよりも多い9種類の遺伝子型を標的としており、子宮頸がんおよびその前がん病変の罹患率の減少と、子宮頸がんの死亡率の減少が期待されています。
・ヒトパピローマウイルス未感染者を対象とした海外の報告では、2価・4価ワクチンと同様に高い有効性が示されており、初回性交渉前の年齢層に接種することが各国において推奨されています。
・なお、いずれのワクチンも、すでに感染したウイルスを排除したり、子宮頸がんの進行を制御する作用はないため、ウイルスに感染する前に予防することが重要になります。また、ワクチンを打っていても100%の予防効果はないため、20歳以上の方は2年に1回の子宮頸がん検診を受診する必要があります。
小学校6年生から高校1年生相当の女子(標準的な接種年齢は中学1年生)
※平成19年4月2日~平成20年4月1日生まれの方は令和6年度の1年間、平成18年4月2日~平成19年4月1日生まれの方は令和5・6年度の2年間はキャッチアップ接種の対象者となるため、その期間も公費で接種することができます。
・国で議論が行われた結果、積極的勧奨の差し控えによりHPVワクチンの接種機会を逃した方に対して、公平な接種機会を確保する観点から、時限的に、従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うこと(キャッチアップ接種)となりました。
【対象者】
平成9年4月2日~平成18年4月1日生まれの女子
※平成19年4月2日~平成20年4月1日生まれの方は令和6年度の1年間、平成18年4月2日~平成19年4月1日生まれの方は令和5・6年度の2年間はキャッチアップ接種の対象者となります。
・同じ種類のワクチンで接種を完了することを原則とします。
・一般的に効果が高いとされる9価ワクチンですが、2価あるいは4価ワクチンと9価ワクチンで交互接種した場合の安全性と免疫原性は一定程度明らかになっておりますが、有効性については明らかになっておりません。
・すでに2価あるいは4価ワクチンを用いて定期接種を進めた際、残りの接種を行う場合は、医師と被接種者がよく相談した上で、9価ワクチンを選択することは可能です。この場合にも公費で接種することができます。そのような方は、医師と相談した上で、軽井沢町保健センターにお問い合わせください。
・定期接種対象者のうち、3回とも未接種の方には9価の予診票を送付します。すでに接種を始めている方やキャッチアップ接種対象の方には9価の予診票は送付しませんので、接種を希望される方は軽井沢町保健センターまでお問い合せの上、お越しください。
・なお、予診票をお渡しする際には、予防接種事故防止のため、母子健康手帳の予防接種歴を確認させていただきますので、母子健康手帳を必ずお持ちください。
【接種回数】
ワクチン名 | 接種回数 | 接種方法 |
2価 (サーバリックス) |
3回 |
1か月以上あけて2回、1回目から5か月以上かつ2回目から2か月半以上あけて1回 (標準的な接種間隔:1か月以上あけて2回、1回目から6か月以上あけて1回) |
4価 (ガーダシル) |
3回 |
1か月以上あけて2回、2回目から3か月以上あけて1回 (標準的な接種間隔:2か月以上あけて2回、1回目から6か月以上あけて1回) |
9価 (シルガード9) |
・15歳までに1回目の接種受ける場合は2回
・15歳になってから1回目の接種を受ける場合は3回 |
【2回の場合】 少なくとも5か月以上(標準的には6か月以上)あけて2回目を接種する。
【3回の場合】(接種間隔は4価と同様です) 1か月以上あけて2回、2回目から3か月以上あけて1回 (標準的な接種間隔:2か月以上あけて2回、1回目から6か月以上あけて1回)
|
・過去のワクチン接種歴があり、長期にわたり接種を中断していた方は、残りの回数の接種(2・3回目または3回目)を行うことで差し支えありません(この場合、2回目と3回目の標準的な接種間隔は従来通りです)。
・過去に接種歴のあるワクチンを同一製剤で接種を完了することを原則としますが、過去に接種したワクチンの種類が不明の場合、ワクチンの種類等について医師と被接種者等がよく相談の上、接種を再開してください。仮に交互接種となった場合も、安全性に関する大きな懸念は示されていません。
医療機関名 | 電話番号 |
あさま医院 | 45-2518 |
軽井沢病院 | 45-5111 |
ほっちのロッヂの診療所 | 31-5517 |
・接種を受ける前には必ず医療機関にご予約をお願いします。
・接種の際には、母子健康手帳、予診票、被接種者の住所・氏名がわかるもの(健康保険証など)を持って、接種を受けてください。
・予診票は町指定のものになります。転出された場合は、町指定の予診票は使用できませんので、転出先の自治体へお問い合わせください。
・任意接種で9価ワクチンを受けた場合の償還払いは致しかねますのでご了承ください。
・対象者が13歳以上の場合、保護者が委任状に署名することにより、保護者が同伴しなくても接種が可能ですが、署名がなければ接種を受けることができません。
ご不明な点がありましたら軽井沢町保健センターにお問い合わせください。
・キャッチアップ接種の対象者のうち、定期接種を受けておらず、定期接種の対象年齢を過ぎて、HPVワクチン(2価・4価に限る)の接種を自費で受けた方に対して、負担した費用の払い戻しを実施します。詳細につきましては、保健センターにご確認ください。
・接種を検討・希望される場合は、厚生労働省が作成した以下のリーフレットや厚生労働省ホームページをご確認ください。
HPVワクチンについて(厚生労働省ホームページ)<外部リンク>
リーフレット
定期接種対象保護者向けリーフレット(詳細版)(PDF/3MB)
定期接種対象者の方へ9価ワクチンのお知らせ(PDF/790KB)
キャッチアップ接種対象者向けリーフレット (PDF/2MB)
キャッチアップ接種対象者の方へ9価ワクチンのお知らせ(PDF/694KB)
・町では16歳以上の女性の方で接種を希望される方は、町に住民票があり、かつ町内の実施医療機関での接種に限り、無料で任意接種を受けることができます(平成23年1月1日より実施)。キャッチアップ接種対象者の方には、町の指定の予診票を送付しますが、キャッチアップ接種対象外の方で、接種を希望される方は町内の医療機関へ直接お問い合わせください。
・副反応とは、予防接種後、一定の期間内にみられる身体的反応のことで、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の主な副反応としては、発熱や、局所反応(疼痛、発赤、腫脹)です。また、ワクチン接種後の注射による痛みや心因性の反応等による失神があらわれることがあります。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は体重を預けることのできる背もたれのあるソファに座るなどして様子を見るようにしてください。
・稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(ショック症状、じんましん、呼吸困難など)、ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病(紫斑、鼻出血、口腔粘膜の出血等)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)等が報告されています。
・ワクチンを接種した後に、気になる症状が出たときは、まずは接種を受けた医師またはかかりつけの医師にご相談ください。
・厚生労働省や長野県では、HPVワクチンに関する相談窓口を開設しています。ご不明な点は、以下の相談窓口へ問い合わせてください。