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【軽井沢町版レッドデータブック関連インタビュー】 軽井沢の貴重な草原「風越鷲穴半自然草原」のこれまでの道のり ~軽井沢町植物園 新井園長~

みなさん、こんにちは。現在、町では『軽井沢町版レッドデータブック』の作成を進めています。この連載では、軽井沢の自然環境についてよく知る方々にお話を伺い、紹介していきます!
【第1回】 軽井沢の貴重な草原「風越鷲穴半自然草原」のこれまでの道のり ~軽井沢町植物園 新井勝利園長~
今回は、軽井沢の貴重な草原環境であり、町の天然記念物にも指定されている「風越鷲穴半自然草原(かざこしわしあなはんしぜんそうげん)」をご紹介します。こちらの草原は軽井沢アイスパークのそばにあり、町植物園の自然園として管理されています。散策路を歩きながら、草原に暮らす動植物を間近に観察できるとても魅力的な場所です。今回は、この草原がどう維持されてきたのか、またその魅力について植物園の新井園長にお話を聞きました。

軽井沢町植物園 新井勝利園長
軽井沢に残る貴重な草原、「風越鷲穴半自然草原」とは?
「風越鷲穴半自然草原」がある場所は、2003年までは射撃場でした。射撃場として管理されていた頃、野焼きや草刈りが行われていたため、植物は大きくなることができず、その結果、草原環境が維持されていました。
射撃場が閉鎖されて何年か過ぎたあとから、植物園がこの場所を管理するようになりました。管理を始めた頃は、ススキやヨシが 2メートルを超えていました。このような状況だと、下の方に光がほとんど入らず、背丈の低い植物であるユウスゲやハナショウブの仲間、秋に咲く花や春のサクラソウにとっては生育が難しくなります。初代園長の佐藤邦雄氏はこの場所に貴重な植物が残っていることをご存じでしたので、少しずつ草刈りなどの管理を始めるようになりました。
この草原環境は、このように人の手が入ることで維持されてきた草原であるため、「半」自然草原といわれています。
風越鷲穴半自然草原
草原を維持するために、科学的に調査をして管理方法を探る
自然園としての管理が始まり、草原を維持していくためにはどういった管理が必要なのかを科学的に調査をした方がいいということになりました。東京農業大学の宮本太教授たちが積極的に調査してくださり、科学的なデータに基づいた管理方法を提案してくださっています。例えば、植物園では秋に草刈りをするのですが、草を刈ってそのまま置いておくと、サクラソウの生育にとってはよくないとのことでした。そこで、刈った草は草原の外に運び出しています。そうした手間もかけながら、サクラソウはだいぶ増えてきています。

サクラソウの咲いている様子
「自然園」として管理するなかでわかってきた、風越鷲穴半自然草原の魅力
地域の方、研究者の先生方、学生さんといった多くの方の協力のもと管理してきたなかで、軽井沢の草原には多様な植物が生えているということ、そしてそこには植物だけでなく、チョウなどのいろいろな生きものがいるということが見えてきました。生物を保全していくには、希少な植物だけを守ればいいというわけではありません。普通のごくありふれた植物が、希少なチョウなどの食べものとなっていたり、生活する場になっていたりすることがあります。つまり、希少な植物だけではなくて、そこに生えている植物全体を守ることが、昆虫などの他の生きものたちも守っていくことにつながります。
そうした面でも、ますます「風越鷲穴半自然草原」が魅力的な場所であるということがみえてきたかなと思います。

草原で求愛飛翔をするモンキチョウ(写真提供:栗岩竜雄氏)
自然園でぜひ見てほしい植物は?
ここは野山ではないのですが、ノハナショウブというハナショウブの元になったもの(原種)が生えています。ノハナショウブは、ヨシやススキが茂ると生育できないので、周りのヨシやススキを刈るとともに、タネを採取してまくという地道な作業を繰り返してきました。そうしたなかで、だんだん増えてきました。ノハナショウブは 7月上旬から中旬ぐらいまで咲いているのが見られますので、ぜひご覧いただければと思います。7月下旬から 8月初旬はユウスゲがよく咲くようになりますので、そのあたりの季節も自然園にお越しいただくにはいい時期だと思います。

ノハナショウブ

ユウスゲ
これから夏がやってきます。自然園の草原を散策して、植物や虫たちなどの草原の生きものたちの世界をのぞいてみませんか?ここだからこそみることのできる生き物たちの暮らしに出会うことができるはずです。
貴重な草原環境を守るために気をつけてほしいこと
植物を採取したり、持ち帰ったりしないようにしましょう。また、ほかの場所から植物(タネも含む)を持ち込まないようにしましょう。軽井沢の貴重な草原の生きものたちのくらしを守るために、ご協力をお願いします。



