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堀辰雄文学記念館だより 令和8(2026)年2月
O(オー)村だより 令和8年2月号
行く1月、逃げる2月、去る3月とは申しますが、今年もあっという間に2月になりました。
立春も過ぎましたが、寒さはまだ続きそうです。ご来館の折は暖かい服装でお越しください。
冬季コーナー展「堀辰雄の装幀」開催中
現在当館では、冬季コーナー展「堀辰雄の装幀」を開催しています。
□チラシ画像

企画展「堀辰雄の装幀」について
企画展名 「堀辰雄の装幀」
会 期 令和8年1月8日木曜日から令和8年3月17日(火曜日)まで
開催場所 堀辰雄文学記念館 管理棟閲覧室
装幀とは、「書物の表紙、見返し、とびらなどの体裁をつくり外形を整えること」(『日本国語大辞典』「装幀」の項目)のことで、いわば本のデザインの仕事です。堀辰雄は、自作品のみならず、川端康成や中里恒子など他作家の作品の装幀も手掛けることもあり、装幀家としての一面も持っていたといえるでしょう。
本企画展では、堀が装幀を手掛けた自作・他作の本を多数展示しています。様々な本のあとがきや雑誌記事に書かれた堀の造本の美意識を知り、それがどのような装幀として表現されたのか、美術作品を見るように本を見て楽しんでいただければ幸いです。
企画展こぼれ話
今回の展示中には、堀辰雄の装幀のこだわりにまつわる編集者の話や、堀辰雄の著書のあとがきを紹介しています。堀は自著『狐の手套』、『幼年時代』、『美しい村』のあとがきで、それぞれ次のように述べています。
「…本は美しく楽しく、ポケットにちよつと入れられるやうな、小さな本にして貰つた。」(堀辰雄「狐の手套」について」)
「…僕はあんまり凝つた本は嫌ひだから、そんなものは期待しないで欲しい。僕は何気ない装幀が一番好きなんだ。」(堀辰雄「著者の言葉」)
「…私の『幼年時代』もどうやら小さなかはいらしい本になりさうなので、私もうれしいし、又亡き母たちも此の本をもし見ることがでいたら、さぞ微笑を禁じ得ないことだらうと思ふ」(堀辰雄「『幼年時代』あとがき」)
(いずれも引用は堀辰雄『堀辰雄全集第四巻』(筑摩書房、昭和53年)より)
素朴な言葉選びから、堀の装幀、そして本に対する愛着とこだわりがにじみ出ており、微笑ましく感じられます。今回の企画展のデザインは素朴で何気なく、堀辰雄好みに合うような本をイメージしたものを目指しました。
展示ではこれらの本のほか、堀が装幀を手がけた川端康成や山下三郎といった他の作家の本も展示しています。
なかなか実物を見る機会のない堀の装幀本をぜひこの機会にご覧ください。
みなさまのご来館を心よりお待ちしております。



