堀辰雄文学記念館だより 令和6(2024)年度
O(オー)村だより 令和6年12月号
12月に入り今年もいよいよ残りわずかとなりました。
今年は大河ドラマで平安時代の物語が放送され、王朝文学や古典の世界に注目が集まった1年でした。堀辰雄も『更級日記』を愛読し、日本の古典文学を研究的に読むようになり、「かげろふの日記」や「姨捨」などの作品を発表しました。春期企画展は「堀辰雄と古典文学の世界」と題し、堀辰雄の中期以降の作品に影響を与えた「日本の古典」と堀辰雄文学の関わりをメインに展示を行いました。
春期企画展 「堀辰雄と古典文学の世界」
また、今年は堀辰雄の生誕120年となる年で、7月からの特別企画展では、特別展示として、東京都豊島区にある鈴木信太郎記念館で令和5年秋に発見された堀辰雄の東京帝国大学在学中の試験答案を期間限定で展示したほか、関東大震災の時に堀辰雄が身につけていたお守りを初公開資料として展示しました。
特別企画展「堀辰雄『幼年時代』の世界」
8月に軽井沢プリンスホテルで開催された「ゆうすげの集い 2024」においては、出張パネル展「軽井沢と堀辰雄」と題し、代表作「風立ちぬ」「美しい村」「菜穂子」「大和路・信濃路」の貴重な初版本を展示したほか、堀辰雄と軽井沢の関わりについて写真パネルをメインに展示を行いました。また、土屋三千夫町長による堀作品『樹下』の朗読がありました。
「ゆうすげの集い 2024」朗読の様子
このほかにも、1年を通じてさまざまな講演会や子ども講座、朗読会などを企画してまいりました。来年もこうした文化活動を通して、多くの皆さまに堀文学に触れていただけるよう努めていきたいと思います。
今年は12月27日(金)をもちまして休館となりますが、来年は1月5日(日)から開館させていただきます。
今年も多くのお客様にご来館いただき誠にありがとうございました。
O(オー)村だより 令和6年10・11月合併号
今年は夏から秋にかけても暖かい日が続き、なかなか秋めいてこないところでしたが、11月に入り、ようやく記念館のカエデの葉も紅葉し始めました。
「秋の朗読会」を開催しました
10月19日に、軽井沢図書館朗読ボランティア「オオルリ」の皆さんに、企画展テーマの「幼年時代」関連作品から朗読を行っていただいたほか、今回はライアという珍しい楽器による演奏もあり、参加者も綺麗な音色と朗読に聞き入っていました。
【プログラム】
司会:池 富美子 氏
ライア演奏:宮坂 麻里 氏
朗読:『花を持てる女』・『燃ゆる頬』・『菜穂子』より 佐藤 美智子 氏
『無花果のある家』 木曽 泰子 氏
『赤ママの花』 宮坂 麻里 氏
『父と子』 田島 亜樹 氏
『入道雲』 日向 聡子 氏
YouTube動画 2024年 秋の朗読会
「堀辰雄を語る会」を開催しました
10月26日に開催された「堀辰雄を語る会」は、講師に藤田佑氏(相模女子大学学芸学部日本語日本文学科専任講師)をお招きし、『小説家の原体験――三島由紀夫の堀辰雄』の題目で講演をいただきました。藤田先生は日本近代文学、特に三島由紀夫を中心に戦後文学を研究していることから、新たな目線での堀辰雄がうかがえた講座となりました。
YouTube動画 2024年 堀辰雄を語る会
『文化の日』堀辰雄文学記念館無料公開
11月3日の「文化の日」に町内文化施設の無料公開を実施しました。
今年は季節が少し遅れ気味でしたが、ようやくカエデも色づきはじめ、大勢の方にご来館をいただき、カエデの回廊を楽しんでいただきました。
ご来館、誠にありがとうございました。
O(オー)村だより 令和6年9月号
「夏休み子どもの文学講座」を開催しました
8月24日(土)にこどもヘンテコまほうラボ所長のなおやマンと、しま:アイさんを講師に迎え「夏休み子どもの文学講座」を追分公民館で開催しました。
夏休みも終盤となり、児童も保護者の方も忙しい中でしたが、大勢の方のご参加をいただきました。
当日は朝から天候にも恵まれ、まずは全員で近くにある泉洞寺へ、お話づくりの題材探しの散策に出掛け、堀辰雄の愛した石仏、通称「歯痛地蔵」などを見学しました。
公民館に戻ったあとは、探索の際に書きとった「お話づくりワークシート」をもとに短い物語を作り、雲型の風船にストーリーを書いた短冊形の帯を張り付けていく作業を行いました。
泉洞寺の石仏から、はたまた宇宙へと物語は大きく広がっていき、子どもたちの想像・創造の力の可能性を感じられた講座となりました。
O(オー)村だより 令和6年8月
堀辰雄生誕120年 特別企画展開催中
現在開催中の特別企画展「堀辰雄『幼年時代』の世界」では、令和5年秋に東京の鈴木信太郎記念館で発見された、帝国大学在学中の堀辰雄の試験答案を期間限定(9月1日まで)で展示しているほか、堀がまだ小説家になる前の室生犀星や芥川龍之介との出会いなど、関連した貴重な資料を併せて展示しています。
また、堀を兄のように慕い、追分の地で多くの時を過ごした詩人であり建築家の、立原道造が生誕110年となることから、展示室の一角に立原道造コーナーを設置しております。
初公開資料2点のほかにも、普段見ることの出来ない大変貴重な資料を多く展示している本企画展、ぜひお出掛けください。
特別企画展関係資料
堀辰雄の愛用品
立原道造関係資料
軽井沢ゆうすげの集い2024 にて展示を行いました
8月3日には軽井沢プリンスホテルで開催した「軽井沢ゆうすげの集い」に出張パネル展「堀辰雄と軽井沢」として堀辰雄と軽井沢の関わりや写真パネルの展示、代表作『風立ちぬ』、『美しい村』、『菜穂子』、『大和路・信濃路』の初版本の展示をいたしました。
また、土屋三千夫町長による堀辰雄作品『樹下』の朗読があり、作品の中で読まれる”歯痛地蔵”のある追分の泉洞寺の桜井住職も熱心に聞き入っていました。
パネル展示
代表作の初版本を展示
町長による朗読
「樹下」で読まれる通称‘歯痛地蔵’のある泉洞寺 桜井住職と奥様
O(オー)村だより 令和6年7月
緑陰講座を開催しました
每夏恒例の緑陰講座を、今年は7月20日(土)、21日(日)に開催しました。
1日目の講座には、堀辰雄夫人の多恵子さんと長い間親交のありました文学研究者の堀井正子氏を講師に迎え「堀辰雄の幼年時代ー『花を持てる女』を中心に―」と題した講演をいただきました。辰雄の幼い時のエピソードをはじめ、多恵子さんとの思い出話など多くの写真を使って分かりやすく解説いただき、機知に富んだ語り口で終始和やかな雰囲気の講演会となりました。
緑陰講座1日目 youtube動画
2日目の講座には、軽井沢高原文庫館長の大藤敏行氏による「堀辰雄の生涯」と題した講演をいただきました。堀が文学者をめざすきっかけとなった室生犀星や芥川龍之介との出会い、母との悲しい別れなど様々な出来事を詳しく知ることが出来ました。また、高原文庫所蔵の初版本や雑誌など貴重な書物を拝見させていただいたほか、堀辰雄のが所有していた蓄音機を使って、バッハのブランデンブルグ協奏曲を聴くことが出来た貴重な講座となりました。
緑陰講座2日目 youtube動画
O(オー)村だより 令和6年6月
3月23日から始まった企画展『堀辰雄と古典文学の世界』も大勢の方のご来館をいただいており、誠にありがとうございます。
開催期間7月7日(日)までと、残りわずかとなりますので、この機会にぜひご覧いただければと思います。
野いばら講座を開催しました
堀辰雄の命日(5月28日)にちなみ毎年行っている「野いばら講座」を、5月26日(日)に開催しました。
講師:赤間 恵都子 氏(十文字学園女子大学名誉教授)
演題:『源氏物語』第二部の世界――「若菜の巻など」を起点に――
今回の講師を勤められた赤間 恵都子先生は『枕草子』をメインに平安女流文学を研究されており、当館でも平成29年の秋の講演会で「蜻蛉日記を繙く―「不幸な女の日記」の魅力」の演題で講演をいただいております。
今回は、堀辰雄の記した「若菜の巻など」という源氏物語に関する考察を起点とし、『源氏物語』第二部における主人公、光源氏をはじめとする登場人物たちの心の機微を、分かりやすく解説いただきました。
youtube動画
八十二文化財団主催 追分文学散歩「愛された追分」のお知らせ
堀辰雄をはじめ多くの文学者に愛された「追分」をめぐる文学散歩が開催されます。
文学研究家の堀井正子先生のお話を聞きながら「追分」界隈を一緒に散策してみましょう。
O(オー)村だより 令和6年5月
高志の国文学記念館(富山市)で開催中の「堀辰雄生誕120年展“風立ちぬ”堀辰雄と軽井沢の文学者たち」を見学してきました。
当館からは117点の資料を提供したほか、関係施設から多数の提供もあり約250点の貴重な資料が展示されていました。
開催期間も残りわずかとなっています。堀辰雄に関する資料を一堂に見られる貴重な企画展なので、この機会にぜひ足を運んでご覧いただければと思います。
高志の国文学館
企画展ポスター
導入展示「軽井沢へのいざない」
展示室内
展示室内
【企画展】
「堀辰雄生誕120年展“風立ちぬ”堀辰雄と軽井沢の文学者たち」
(開催期間6月3日(月)まで)
【高志の国文学館】
〒930-0095 富山市船橋南町2-22 電話 076-431-5492
O(オー)村だより 令和6年4月号
春休み子どもの文学講座
春休み中の3月23日(土)に児童を対象に「春休み子どもの文学講座」を開催しました。
当日は朝から雪の降り積もる天気となりましたが、大勢の方にお集まりいただき楽しい講座となりました。
講師は、軽井沢町ボランティア団体「ほっとここあ」の皆さまに行っていただきました。
第1部は、紙芝居と人形劇を組み合わせた飛び出す紙芝居「さるかに合戦」、第2部は、本や文学を消し去ろうとする悪者と、オリジナルご当地ヒーロー「Kz-1」による参加型ヒーローショー。第3部は当館オリジナル紙芝居「軽井沢と堀辰雄さん」の紙芝居が演じられ、親子で楽しむ講座となりました。
春期企画展「堀辰雄と古典文学の世界」好評開催中です。
新緑の追分に、皆さまぜひお出掛けください。
このページに関するお問い合わせ
- 教育委員会 生涯学習課 堀辰雄文学記念館
-
電話番号:0267-45-2050
電子メール:horikinen(アット)town.karuizawa.nagano.jp
備考:メール送信時はE-mailアドレスの(アット)を半角@に変換してから送信下さい。