令和6年3月会議  再開(施政方針)

【令和6年第1回軽井沢町議会定例会3月会議 再開 町長あいさつ】

 

【町長あいさつ文】

  本日ここに、令和6年第1回定例会3月会議が再開し、令和6年度の一般会計予算案をはじめ諸議案のご審議をお願いするにあたり、就任後1年の主な施策の進捗報告をおこなったうえで、新年度の町政運営に臨む所信の一端を申し述べるとともに、重点施策などの概要を申し上げます。

 

 はじめに、議員の皆さまにおかれましては、軽井沢町の発展と町民の幸せのために、日夜ご尽力されていることに対して、心より敬意を表します。

 まず主な施策として挙げた5点について就任後1年の進捗のご報告をいたします。

 

 1点目は新庁舎周辺整備事業についてです。昨年5月に見直し委員会を設置後、住民説明会やパブリックコメントの募集をおこない、その結果も踏まえて9月に見直し方針を示しました。以前の案では新庁舎建設の後で検討するとしていた公民館機能充実も同時に検討することとして、11月に公募委員や各団体の代表、役場職員も含めた推進委員会を発足させ、設計事業者については山下・三浦JVと引続き事業の見直しを進めていくことを決定し、現在、基本方針策定を目指して検討を進めています。また、専門的な知識を有する町側のアドバイザー設置と、さらなるコミュニケーション強化策を検討しています。

 

 2点目は自然環境の保全と再生についてです。まず環境基本計画の策定が完了しましたので、今後はこの計画に基づき具体的な施策をおこなってまいります。本計画の小学生向けのわかりやすい冊子を作成いたしましたので、来年度より町立小学校においては授業でも活用し、子ども達自らが環境について考え行動するきっかけとなることを期待しております。また町内の希少な動植物や昆虫などの網羅的調査をおこなうため、「軽井沢町版レッドデータブック」の作成準備を来年度より進める予定です。

 施行から50年以上経った「自然保護対策要綱」の見直しや用途地域の検討については、役場庁内の横断的な検討委員会を昨年10月に設置し、現状の課題や今後予想される課題等について、また指導の徹底方法などについて資料の作成も含めて検討を進めています。

 

 3点目は誰もがくらしやすく定着するまちづくりについてです。まず公共交通については、交通弱者の移動手段確保も想定した「よぶのる軽井沢」の3回目の実証実験を昨年10月からおこなっています。今回は登録制の電話予約と現金決済も可能としていますので、その実績も含め3年間の実証実験データを活用して交通計画を策定いたします。また、紅葉シーズンの渋滞解消の一環として軽井沢駅から雲場池付近までの往復シャトルバスを約1か月半運行しました。想定以上の利用があり、この実績データも今後のシャトルバス運行計画を含めた交通計画策定に活用いたします。

 次に軽井沢病院の改革についてですが、病院関係者との月例会議を昨年3月より継続して実施しており、事務管理レベルの向上やコミュニケーションの改善など選ばれる病院への諸課題の解決策を検討しています。さらに現在、外部の医療専門コンサルタントが、内部要因、外部要因、医療を取り巻く環境など様々な観点から調査を進めています。3月末に報告を受ける予定ですので、来年度以降、その結果も反映した本格的な改革に向けての具体的施策を実行します。

 また、ボランティア文化が根付く町として、積極的にボランティアの方々との協働をすすめていますが、昨年10月には日本財団ボランティアセンターと自治体では初となる連携協定を結び、今後は人的、資金的なサポートを受けることが可能ですので、ボランティア活動における相乗効果が生まれてくると考えています。

 教育関係では、幼稚園・保育園・小学校から中学校までの教育関係者が連携を深め先生が主体的に互いの学びを深める、5校連携の拡大した動きを支援しています。東部小では県主催の「アートの手法を活用した学び」の場として選ばれ、昨年7月に実施しました。これからも公立・私立の垣根を越えて7校連携につなげるとともに、さらに選択肢の広い魅力ある教育の場となることを目指していきます。

 人権意識を国際水準に高めることが軽井沢の真の国際性に繋がるとの考えから、昨年10月には犯罪被害者等支援条例を制定し、手話言語条例についても施行準備を進めてきました。また4月より施行される障害者差別解消法の改正に合わせて、合理的配慮が義務化される事業者に向けての啓発活動を準備しています。今後はさらに、障がい者やLGBTQ+を含めたあらゆる方への差別解消に向けて取り組み、人権意識の高いまちとして評価が得られるよう努力いたします。

 

 4点目の情報公開の徹底と住民との信頼できるコミュニケーションの実現についてですが、住民との直接対話の機会として昨年7月より「町長出前講座」を始め、これまで11回実施し延べ318名の方に参加して頂きました。軽井沢のまちづくりビジョンを説明した後で、テーマは限定せずに意見交換をおこない、住民の方の生の声を聞く大変重要な機会となっています。提案を頂くこともあり、町立保育園や小学校からの性教育の実施などすでに具体化されたものもあります。なお、講座でのやり取りについては職員とも共有しています。

 また「住民等参画推進に関する指針」を昨年10月から施行し、関連する3つの基準や「審議会等の委員選任及び会議の公開に関する指針」についても同時に施行しました。現在までに3つの審議会等で公募が行われ、会議録の公開は作成中も含めて20件となっています。

 

 最後の5点目は持続可能な保養文化都市への転換です。まず道路などのインフラ整備は計画通り進めていますが、加えて1000メートル林道の速度抑制舗装設置工事を6か所おこない、また事故が多発している中部小通りの交差点信号機設置準備や風越公園交差点改良工事として歩行者信号の設置に向けた事業に着手するなど、状況に応じて対応してきました。

 文化芸術振興については町制施行100周年に合わせて『軽井沢文学散歩』の23年ぶりのリニューアルや浅田次郎氏の講演会、近代作家の直筆原稿展などイベントを充実させました。改めてスポーツや食文化も含めた文化芸術のまち軽井沢の再認識に繋がったと考えています。

 昨年8月には長野県で初めてスマホで出来るふるさと納税として「旅先納税」を開始しました。これは寄附額の30%が電子ギフトとして即時に発行され、町内の事業者支援にもつながっています。

 長期滞在型への転換への仕掛けとして、広域連携を進めるため昨年5月に千曲川ワインバレー特区協議会にオブザーバー参加しました。こうした活動が、軽井沢からの周遊先を増やし町内の長期滞在やリピート率向上につながるものと捉えています。

 慣行農業の支援は国、県に加えて町単独の補助事業を継続していますが、有機農法についても推進活動をおこない、学校給食の食材利用なども検討しているところです。町立4保育園では、昨年12月に佐久産の野菜と有機米を使用したオーガニック給食を提供し、先月には町立4小中学校でも町内のシェフの協力も得て町内産有機食材を利用した給食を提供しました。

 

 以上、公約として掲げた重点施策5点についての進捗報告となりますが、2024年はこれらの施策の継続・発展に加えて、タクシー不足解消に向けた、日本版ライドシェアの導入も含めた「軽井沢モデル」の実現や、独自財源確保のための宿泊税導入の検討、新庁舎周辺整備事業と連携したDX推進および広報広聴分野の強化、職員の働き方改革の推進、住民主体のまちづくりへの支援策推進、住民と連携した防災計画の強化など、新たな課題への取り組みも柔軟かつ迅速にすすめてまいります。

 

 次に、令和6年度当初予算についてですが、予算編成に当たっては、国の動向に十分注意すると同時に、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことにより、入り込み客の増加による町内経済の回復傾向はみられるものの、限られた歳入の中で幅広いニーズの対応が求められる町の財政状況を踏まえつつ、第6次長期振興計画の基本構想、基本計画及び実施計画に基づき、健全財政の堅持に配慮した適正な予算編成に努めました。

 今回の予算につきましては、保養地としての環境や、伝統と文化を活かして町の持続性と魅力向上を図ることを重視しました。DXの推進や、誰もがくらしやすく定着するまちづくりを進めるため、都市基盤や公共施設などの経常的な維持管理費の増加や、少子高齢化社会の進行等による社会保障費などの増加に加え、大型事業として、西部小学校東教室棟建設事業や、令和7年度の夏オープンを見据えた旧三笠ホテルの建造物保存修理事業および防災・活用整備事業の実施等があり、令和6年度の一般会計予算の総額は172億円となり、昨年度の骨格予算と比較して、17億円の増となっております。

  これからも、最新の国等における補助事業、交付金事業などの情報を注視し、既存事業であっても財源の確保に最大限努め、予算の執行に当たっては、計上した施策の趣旨に沿った時期を逸することなく、目的が確実に達成されるよう実施してまいります。

 

 保健福祉関係ですが、現在、策定を進めております第2次自殺対策推進計画、第7期障がい福祉計画及び第3期障がい児福祉計画、第3次障がい者計画、高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画は、令和6年4月より新たな計画期間が始まりますので、各計画に基づき、取り組みを推進してまいります。

 なお、第9期介護保険事業計画では、月額基準額は据え置きますが、国の介護保険法の改正に伴い、1号被保険者の所得段階や負担割合が変更となります。

 本会議に、介護保険条例の一部改正について提案しております。

 

 交通政策関係ですが、繁忙期におけるタクシー供給量の増加を目的として、去る2月14日に軽井沢タクシー協会・商工会・観光協会・ホテル旅館組合と、タクシー配車アプリを手掛ける民間企業との6者で協定を締結いたしました。今後は構成団体等との連携により、一台でも多くのタクシーを供給できるよう努め、移動手段の確保と改善につながるようにいたします。

 

 下水道使用料見直しについてですが、町からの諮問に対し、住民説明会やパブリックコメントの意見等を参考に、下水道事業審議会において審議のうえ、答申をいただきました。この答申を踏まえ、関係条例の改正案等を本会議に提案しております。

 

 小中学校の卒業式ですが、中学校は3月15日に、小学校は3月18日に挙行されます。新型コロナウイルス感染症が5類に移行となって、初めての卒業式となりますが、コロナ禍以前と同様の卒業式ではなく、来賓参加者の縮小や、時間の短縮を行い、児童生徒のための新しい形式での卒業式を実施いたします。

 

 軽井沢町出身で、レバノン特命全権大使やジッダ総領事などを歴任された山口(やまぐち)又宏(またひろ)氏による特別講演会を3月10日、中央公民館にて開催いたします。

 ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエル・パレスチナ紛争など社会情勢が緊迫している現状を踏まえ、ご自身の経験をもとに、中東情勢や日本の平和と軽井沢から発する平和への願いについてご講演いただきますので、議員の皆さまをはじめ、多くの方にご聴講いただきたいと思います。

 

 結びとなりますが、住民それぞれがお持ちの「軽井沢愛」をベースに、いままで築かれてきた「軽井沢力」を磨いて、これからも持続可能で魅力的なまちとしての「かるいざわ」を発展させ、「誰ひとり取り残さないまち、ずっと住んでいたいまち」を、議員の皆さま、住民の皆さまと協働でつくっていくために、使命感を持って職員とともに努力を重ねてまいりますので、引き続きご理解とご協力をいただきますよう、心からお願い申し上げまして、再開のあいさつとさせていただきます。

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