= 2 =
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令和2年1月1日 第690号
○町政に対するご意見をお寄せください
○住所、氏名の記入をお忘れなく
お
健
や
か
に
新
し
い
年
を
お
迎
え
の
こ
と
と
思
い
ま
す
。
町
民
の
皆
様
方
に
と
っ
て
本
年
が
良
い
年
と
な
り
ま
す
よ
う
お
祈
り
申
し
あ
げ
ま
す
。
軽
井
沢
町
長
藤
巻
進
人口減少を乗り越える
国立社会保障・人口問題研究
所によりますと、日本の人口は
2
0
1
5
年
の
1
億
2、
7
0
0
万
人余から、
50年後の2065年
に
は
8、
8
0
0
万
人
余
に
な
る
と
されています。7割に減少しま
す。いろいろな場で少子高齢化
が問題視されますが、私は少子
化と高齢化を分けて考えていま
す。高齢社会は乗り越えなけれ
ばならない重要課題ですが、あ
る意味、時間が解決してくれる
問題でもあります。しかし、少
子化は時間が経てば経つほど深
刻となり、改善されなければ、
江
戸
時
代
の
人
口
3、
0
0
0
万
人
代
に
な
る
数
値
も
示
さ
れ
て
い
ま
す。国家存亡にかかわる最重要
の問題です。国の強いリーダー
シ
ッ
プ
の
下
に、
全
国
1、
7
4
1
の
自
治
体
が
一
丸
と
な
っ
て
対
策
を
進
め
て
い
か
な
け
れ
ば
な
り
ま
せ
ん
。
欧米諸国では
それでは、欧米諸国ではどう
でしょうか。日本と同様に少子
化の時代がありましたが、それ
を
乗
り
越
え
て、
2
0
1
7
年
の
出
生
率
は
フ
ラ
ン
ス
1
・
9
0、
ス
ウ
ェ
ー
デ
ン
1
・
7
8、
ア
メ
リ
カ
1
・
7
6、
イ
ギ
リ
ス
1
・
7
6
と
な
っ
て
い
ま
す。
日
本
は
1
・
4
3
と
危
機
的
な
状
況
で
す。
(
令
和
元
年版少子化社会対策白書より)
こ
の
数
値
は
合
計
特
殊
出
生
率
と
いって、一人の女性が出産可能
とされる
15歳から
49歳までに生
む子どもの数の平均です。日本
の人口は2004年をピークに
下がり続けています。
人口減少がもたらす
厳しい社会
国家のすべての分野において
国力の低下が避けられない中、
経済・財政面に限定して考えて
も、まず、社会を支える働き世
代が減り、生産力の大幅な減少
となります。生産力の減少は消
費活動に悪影響を及ぼし、地域
にお金が回らなくなります。そ
れ
は
イ
コ
ー
ル、
税
の
減
収
と
な
り、道路や橋梁、各種公共施設
の維持管理が難しくなります。
当
然、
役
所
の
予
算
も
人
員
も
減
り、今まで当たり前であった公
共
サ
ー
ビ
ス
も
で
き
な
く
な
り
ま
す。また、消防団など各種の地
域活動が弱体化していきます。
国全体で取り組む
対策として、一つは国全体で
子どもを産み育てられる環境を
さらに前進させることです。簡
単なことではありませんが、や
らなければなりません。これは
行政だけでなく、企業や地域社
会が一体となって進めなければ
達
成
で
き
ま
せ
ん。
地
方
都
市
で
は、自治体独自の子育て支援等
での人口増加策が見受けられま
すが、それだけでは、根本的な
解決にはならないでしょう。こ
のたびの、幼児教育・保育の無
償化など、国全体で取り組むべ
き課題であると思います。二つ
目として、東京一極集中の是正
で
す
。
1
9
9
0
年
代
に
は
首
都
機
能
の
移
転
が
論
議
さ
れ
、「
国
会
等
の移転に関する法律」
も制定
されましたが、現在は立ち消え
となっています。また、政府関
係機関の地方移転も、文化庁移
転くらいで進んでいません。予
測される首都直下地震など危機
管理面からも進めなければなり
ません。
交流人口・関係人口の
増を図る
さて、
軽井沢町ですが、
幸い、
人口2万人まで増加してきまし
たが、国全体の急速な減少の中
では、これからも維持できるか
はわかりません。そこでどうす
るかですが、国の政策に合わせ
ての子育て支援策を進めると同
時に、交流・関係人口を増やし
て活性化を図る政策が考えられ
ます。
現
在、
町
で
は
官
民
で
別
荘
滞
在、観光誘客、会議開催、各種
スポーツ開催、自然探索などの
振興を図っています。まさに交
流人口です。わが町の特性を生
かし、それぞれの目的で訪れて
いただくものです。優良な別荘
地として、繰り返し訪れたい観
光の地として、国内・国際会議
の開催地として、スポーツ大会
参加や合宿の地として、自然に
触
れ
あ
い
楽
し
む
地
と
し
て、
で
す。そして、住民個々の関係あ
る方々にも訪れていただく、関
係人口です。これらによって、
町民の経済を潤し税収を確保し
て、町を維持していくというも
のです。
振り返ってみますと、当時話
題となったタレントショップ問
題、バブル期の乱開発、別荘地
でのリゾートマンション計画な
ど、わが町に降りかかる諸問題
がありましたが、町民の熱意と
努力、この町を愛する方々の支
援、そして、町の持つ多様性、
奥の深さが、それらを乗り越え
てきました。これからの人口減
少時代を迎えても、軽井沢町は
しっかりとした足取りで、明る
い未来へ突き進んで行けるもの
と確信しています。