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平成29年6月1日 第659号

野生動物にご注意を!散歩の際は音の鳴るものを!

 豊かな自然と共生する町「軽井沢」では、ツキノワグマの保護と

事故防止の両立を目指し、平成12年度より被害対策事業を実施して

います。電波発信器によるクマの行動監視や、ベアドッグ(クマ対策

犬)などによる追い払いを続けてきた結果、商業地や宅地、集落での

情報はほとんどなくなりました。

 一方、森林や別荘地周辺での情報は、山の実りや「問題グマ」の有無

によって増減します(グラフ)。昨年度は国有林内で接触事故が1件

発生し、追分や三ツ石、愛宕山周辺などで目撃が相次ぎました。調査

を進めると、事故は親子連れのクマの冬眠穴に接近してしまったこと

が原因でありました。

(写真)また、追分で目撃されたのは親離れした

若いクマであることがわかりました。

 秋は奥山でのどんぐりの実りが芳しくなく、別荘地付近の林の利用

価値が高くなっていたものとみられます。

 出没理由を把握して効果的な対策を行うためには、早めに状況を

調査することが欠かせませんので、クマに関する情報がありましたら

下記まで連絡してください。また、これから夏にかけてはトウモロコシ

やゴミが狙われやすくなりますので、クマに触れさせないようにして

いただけますようお願いいたします。 

 クマの情報は現地での看板のほか、広報、メール配信サービス、

ホームページ等にあります。是非、活用してください。

【問い合わせ】 NPO法人ピッキオ 090-3585-9763

 アライグマやハクビシンは、もともと日本に生息していない外来生物

です。特に、アライグマは特定外来生物に指定されていて、輸入・飼育

および販売・運搬(移動)・野外へ放つ等が法律により禁止されています。

 軽井沢では家屋侵入被害が多く、別荘など人気のない家屋の天井裏に

住みつき、天井裏の糞尿汚染、物音など生活被害を起こします。侵入

被害は、床下や壁に穴や隙間はないか、通気口は壊れていないか等、

日頃からチェックすることで防ぐことができます。また、近隣の廃屋や

神社等など、人の出入りの少ない建物にも気をつけてください。

 近年、高齢化が進み、自ら家屋のメンテナンスができないケースや

家主が修理を怠り根本的な解決に至らない状況も生じています。放置することは被害の拡大につながりますので、

ご注意ください。

 農作物などの食害等もありますが、複数の動物が被害を及ぼすことが多いので、複数種に対応できるように、

防護ネットを下から上まで隙間なく張る、電気柵の段数を増やす、防護ネットと電気柵を組み合わせて張るなどの

工夫が必要です。自分で勝手に罠をかけるのは違法行為となりますので、注意してください。

 ハクビシンは、すでに全県に分布拡大しているため根絶することはできませんが、アライグマの場合は、軽井沢

町においては、早期の対策により、急激な増加を抑制している状態だと考えられます。アライグマを目撃したり、

アライグマによる生態系への被害や人の生活被害の可能性がある場合は、被害拡大を防ぐためにご連絡ください。

 【問い合わせ】 NPO法人生物多様性研究所あーすわーむ 45-5642

床下に入ろうとするアライグマ

縞状の尾が特徴

写真.倒木の下で冬眠することもある

 私たちが暮らす町は豊かな自然に育まれて、多くの野生

動物の生息地域とも重なっています。そのため、野生動物

との遭遇、被害等のトラブルも発生しています。私たちが

安心して暮らすために、専門家に委託し、対策を実施して

います。昨年度の近況報告は、以下のとおりです。今回は、

昨年度の状況を中心に報告します。

 

ツキノワグマ 

 

アライグマ・ハクビシン 

野生動物

への

  取り組み